平行世界?

2007年4月12日 平行世界
 ブラウ一行はあれから2日後、ロンド地方で最も商業が盛んな街「イルス」に来ていました。そして、ある大きな宝石商のお店にブラウとカーキが手に入れた宝石類を換金するためにいました。
「ふぅむ・・・これすべてで7,500万ゴールドというところでしょうかね。」
 しかし、納得の行かないカーキは宝石商を畳み掛けます。
「そんな訳ないわ。これだけあれば1億5000万はいくはずよ。嘘つかないで。そんな事すると為にならないわよ」
 宝石商だって黙っていません。
「お嬢さん、あまり出鱈目な事を言うと、警察を呼びますよ」
ぁ、切れるな・・・とブラウは思いました。しかしカーキの行動は予想を遥かに超えるものでした。
「・・・ブラウ、別の店に行こう。。。」
「きっ、切れないなんて。。。この世は終わるんじゃないか!?」
 パコグハスパッサッ
 今の音は、ブラウの発言をカーキが運悪く聞いてしまい、ブラウが短剣の鞘で殴られ、それがわき腹に入ってしまい呻き、続いて鞘から抜いた短剣をブラウに切りつけたが、ブラウはなんとかかわした音です。

 腹をおさえたブラウと何故か意気揚々のカーキが店から出てきました。
「ブラウ、なんでこんなにも私が嬉しがっているのか、ってのが不思議になっているみたいだね♪」
不気味だよ、勿論口には出しません。
「さっ、さぁ? そんな事知るわけ無いじゃん」
「ふっ、ならば教えてあげよう、ブラウ君。なんとあの有名な宝石細工商人"小松知宏"がこの街に来ているんだ〜♪しかもお忍びで♪」
 ブラウは未だに納得できません。できる訳ありません。
「それとこれとどう関係あるのさ? まさか買い取ってもらうとか言うんじゃないよね? 個人では無理な額だよ?」
 にやり。カーキがシニカルに笑います。
「なんとまぁ、忘れてしまいましたか・・・あの時の鉱山で私達が助けた"芸術家さん"だってのに・・・」
「ん〜っと、だんだん思い出してきた・・・嗚呼、あの時の人か・・・」
 あの時とは、今から4年前。ブラウとカーキがまだ旅立ったばっかりのころ。ある低レベルの鉱山のダンジョンにカーキとブラウが鉱山の中で、多くのモンスターに襲われているその人に出会った時のことです。その時に二人はその"芸術家さん"に助けたのです。ちなみに、そのちょうど1年後、知宏さんが宝石細工の職人として多くの賞を手にしたのです。
「それでその時に、宝石類を鑑定額の2倍で引き取ってあげる、と言ったんだよ〜」
「よく覚えていたねぇ〜やっぱりお金のことになるとすご――ぐはっ」

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