別の惑星?

2007年4月12日 平行世界
 魔法を使う世界。それは一体どういうものなのか、我々には定かに分かるものではない。しかし、<パラレルワールド>ではそのようなものも実在しているはずなのだ。我々と違うのは<パラレルワールド>が所以であろうから。
 潤は今、図書館からの帰り道である。魔法で風呂敷に包まれた多数の本が、浮遊の呪文によって浮かされ、夕焼け色に染まっている。彼は宙に浮いた包みに視界の半分奪われていたが、舗装のされていない河原道も全く躓かずに歩を進めていく。今から家に帰れば夕飯前には確実に着く筈である。結果から言えば、潤はこの日、夕飯を食べ損なう事になるのだが。
 何故なら、土手に不思議な格好をした二人の姿を視認したためである。不思議な格好、一人は腰から長い刃物と短い刃物をそれぞれ鞘に収められてかけてあり、服装もどこかの国の民族衣装を連想させるものだった。もう一人も着ている服はおかしく、右手に杖みたいなものを握っている。その人は座っていた土手から立ち上がり、土埃を払ってこちらに向かって歩いてくる。彼の表情は向かいの太陽の光によって見ることができず、しかし、胸元で何か金属が光っているのは分かった。多分潤はこの後何をすればいいのか分かっていたようらしいが、それは本人に確かめなければ分からない話である。

「貴方が潤さんですね」

それは潤と彼とのファーストコンタクトだった。
 
「テスト明けで忙しいのであるのだがね」

冷たい返事を、潤は投げ交わした。電波青年に用はない・・・・・・

「僕の事は聞いていらっしゃいますよね」
 最早質問ではなく、確認を取るだけのような発言である。土手にはもう一人が暇を弄びながらこちらを眺めている。

 過去から来る人。そう、未来予知した変人は机の中から出てきて、
「2週間以内に不思議な格好をした二人組みに出会うだろう」
そう言ったきりすぐに机に吸い込まれるようにして消え去った。
何処かで見たことあるような現象だが、その日はこの国では滅多に見ないほどの異常気象だったし、そんな事もあるのだあろう、と思ったりしていたのだが・・・

「・・・・・・」
 潤は三点リーダで返答した。というよりも、机から出てきた人間の事を思い出していて、他の事を考えていなかっただけだが。
「・・・貴方は・・・過去から来たって言うつもりじゃ・・・ありませんよね?」

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索